<つなぐ 戦後75年>被爆体験、若者に託す 我孫子での活動などYouTubeで紹介

「平和の灯」はじめ、戦争モニュメントがある手賀沼公園で、写真「焼き場に立つ少年」を囲む動画の作り手たち=いずれも我孫子市で  一九四五年八月に広島と長崎に投下された原爆がもたらした惨状を後世に伝えていこうと、我孫子市で続けられている活動やゆかりの場所が、今月十四日から動画配信サイト「YouTube(ユーチューブ)」で紹介される。戦争体験の継承に取り組んでいる十代、二十代の若人たちが、それぞれの思いを語りかける。(堀場達)  紹介動画は「モノオペラ『焼き場に立つ少年』を次世代に伝える会」(白澤幸雄会長)と、我孫子市原爆被爆者の会会長の的山ケイ子さん(74)が協力し、市などが主催する「市民のチカラまつり2020」のオンライン企画として作った。長崎で胎内被爆した的山さんら活動をリードしてきた世代の人々とともに、四人の若者が出演し、なぜ戦争について学ぶのか、それがどうして大切なのか、各自の考えを披露する。 長崎で胎内被爆し、自らを漫画家の故中沢啓治さんの自伝的作品「はだしのゲン」に登場する主人公の妹になぞらえる的山さん  若者のうち三人は、市内にキャンパスを置く中央学院大学の学生と卒業生。法学部の川久保文紀教授(46)=平和学=に師事し、会社員の寺原正一郎さん(25)と、四年生の大兼夏美さん(22)は、市の平和事業推進市民会議のメンバーとしての活動経験もある。  動画では、川久保さんの質問に三人が答える形で、意見を述べていく。モノクロ写真の「焼き場に立つ少年」の第一印象を問われると、寺原さんは「泣いてうずくまっていてもおかしくないのに、ある意味、子どもらしくない。違和感を覚えた」。四年生の桂田遼太郎さん(21)は「この子の両親は? この子はそれからどうやって生きていったのだろう」。ごく普通の人々が命を奪われたり、日常を破壊されたりする「戦争の理不尽さ」が、二人の共通する印象だ。  二〇一四年と一五年の夏、市の中学生派遣で広島を訪れた東京学芸大学二年の竹内梨紗さん(19)は、見聞きしたことを後輩の小中学生に伝える「リレー講座」の講師を務める。「広島では十四万人以上が亡くなった。我孫子市の人口は十三万人、とんでもない数だ。事実を知り、自分で考えることが、平和につながる」  動画は、手賀沼公園で五日に収録。同公園には、広島の平和記念公園から分火した「平和の灯」が立ち、二歳で被爆、十二歳で亡くなった佐々木禎子さんに贈られた折り鶴が展示されている。作り手たちの意見交換では、若者たちが「日本がどこの国と戦争をしていたのかを知らない同世代の友人がいる」。的山さんが「被爆者の会会員は二十一人だが、高齢で介護を受けたり、施設に入ったりで、今日参加できたのは私だけ」と継承の難しさを指摘した。  一方で、社会科の教師を目指している大兼さんは「(他市出身の)私自身、戦争への関心を深めたのは、平和教育に力を入れている我孫子市の大学に進んでからだった」と打ち明け、継承に大切なのは「学習環境。まずはきっかけづくり」と強調した。寺原さんは自身のフィリピンでのボランティア活動を踏まえて「被害だけでなく、加害面も伝えなければ」と話した。 川久保さんの司会で、戦争についての意見を話す(左から)桂田さん、大兼さん、寺原さん <焼き場に立つ少年> 原爆投下後の長崎を訪れた米軍の従軍カメラマンが、弟の亡きがらをおぶった10歳くらいの少年が火葬場に立つ様子をとらえた写真。この写真に触発されて作曲家の故青英権氏が手掛けたモノオペラ(出演者が1人のオペラ)の教材化を進めようと、茨城県取手市在住のソプラノ歌手岡本静子さんや白澤さんら我孫子市の有志を中心に「次世代に伝える会」が発足した。 関連キーワード 千葉 logo-en-hatena logo-en-twitter logo-en-facebook logo-en-line 関連記事ピックアップなぜうその報告 答えず 川口いじめ直接謝罪 元校長メモ読み上げ「深く反省」首都圏ニュース(2022年1月7日)これは「しつけ」なのか、親のメンツなのか〈お父ちゃんやってます!加瀬健太郎〉精子取引トラブルで訴訟「京大卒独身日本人と言ったのに…経歴全部ウソ」精子提供者を女性が提訴 全国初か社会(2021年12月27日)技能五輪Road to Tokyo レストランサービスの“若き匠”金メダルへの猛特訓に密着AD(TOKYO MX on 東京新聞)「靴下屋」会長、奈良で事故死 妻と道路横断中、車にはねられ社会(2022年1月7日)小池都知事が本紙に語った危機感「駐車場にコンセントさえない」、コロナ「敵が入れ替わった」社会(2021年12月29日)主婦ライターのイチオシ「4つだけ覚える0円英語学習」1日30分の英語系ユーチューブが凄いAD(株式会社Creajoy)スバル、トヨタ抜き「最も再販価値の高い車ブランド」にAD(NewSphere)Recommended by
(function() {
var pa = document.createElement(""script""); pa.type = ""text/javascript""; pa.charset = "utf-8"; pa.async = true;
pa.src = window.location.protocol + "//api.popin.cc/searchbox/tokyo-np.js";
var s = document.getElementsByTagName(""script"")[0]; s.parentNode.insertBefore(pa, s);
})();  おすすめ情報
首都圏ニュースの新着 記事一覧 <新型コロナ>静岡県内77人感染  静岡県内では七日、新たに七十七人の新型コロナウイルス感染が確認された。 浜松市が三十人、沼津... 1月8日 <新型コロナ>成人式 悩む自治体 感染急拡大で「代替案も」  新型コロナウイルスが急拡大している中、各地で成人式が開催される。昨年は中止や一堂に会しての実施は見送... 1月8日 若者よ 知らなきゃ「188(いやや)」 消費生活相談ホットライン 高校生が啓発消しゴム  消費生活相談の窓口になる消費者ホットライン「188(いやや!)」を若い人たちに知ってもらうた... 1月8日 <新型コロナ>群馬県で87人感染 90代男性が死亡  群馬県と前橋、高崎市は七日、新型コロナウイルスに新たに計八十七人が感染していると確認したと発表した。... 1月8日 今年の群馬県内選挙 参院選や12市町村首長選 4市町村の議員選も  群馬県内では今年、参院選と、十二市町村で首長選、四市町村の議会で改選が予定されている。参院選群馬選挙... 1月8日 <コロナと生きる@いばらき>成人式に接種証明など要請 知事、感染拡大を危惧 全市町村へ  新型コロナウイルスの新規感染者急増を受け、茨城県は七日、週末の成人式に出席する新成人に対しワクチンの... 1月8日
googletag.cmd.push(function() { googletag.display(""div-gpt-ad-tn/article/footer_rect_right""); });

日期:2020/09/12点击:18