熱海市唯一の製造会社 3代目の中島一洋社長「わさび漬け 魅力を若者に」 

若い世代にも親しみやすいパッケージや商品  口に入れた瞬間のピリッとした辛みと、酒かすのほのかな甘い香りが食欲をそそるわさび漬け。県内では伊豆天城産などが思い浮かぶが、実は熱海市にも生産者がいる。市内唯一のわさび漬け製造販売会社「中島わさび漬製造所」だ。先代から受け継いだ味を守るとともに、わさび漬けになじみの薄い若い世代に魅力を伝えようと奮闘している。(山中正義) 商品を持つ中島一洋社長=熱海市で  ワサビと酒かす、酒、水あめを原料にした同社のわさび漬け。「辛みが強く、後に甘みが出てくるすっきりした味わいで、辛みと甘みが絶妙のバランス」。同社三代目、中島一洋社長(54)は胸を張る。  同社は一九五〇(昭和二十五)年の創業。中島家は元々、同市多賀地区のワサビ農家で、中島社長の祖父が販売方法を模索する中でわさび漬けに目を付けた。  経験なしで始めたため、当時の味はいまひとつだった。二代目が県内の専門店で修業し、今の味を確立させた。味はもとより、市内唯一のわさび漬け製造業者という利点を生かし、卸先は市内の宿泊施設などへ広がった。中島社長は二十七歳で店を継いだ。  わさび漬けは、酒かすの味やワサビの辛みの強弱によって味が変わる繊細な加工品。中島社長は「(レシピ通り)同じ分量で作っても、混ぜるタイミングなどがずれたら味が変わる」と難しさを語る。頼りは「自分の舌」という。  素人だった中島社長は当初、従業員が指摘した「味がとがっている」など、微妙な味の違いを理解できなかった。嫌になるほど毎日のように食べ続け、舌に味を覚えさせ、一人前になるまでに三年近くかかった。  景気が落ち込み、売り上げが減少して苦しい時もあったが、先代から受け継いだ卸先との関係を保ちながら持ちこたえてきた。新型コロナウイルス禍で卸先が休業するなど影響もあるが、一番の悩みはわさび漬けを食べる習慣がない若年層が増えていることだ。  そこで、親しみやすいような新パッケージを作ったり、イカスミと干しイカ入りの商品を開発したりと、試行錯誤を続けている。わさび漬けではないが、他の業者と共同開発した「わさびアヒージョ」はテレビ番組でも取り上げられ、人気商品の一つになっている。  現在は定番のわさび漬けを含む約三十品目を取り扱う。中島社長は「おいしさを知ってもらえれば、食べてくれる。もっとアピールしていく」と意気込む。  会社は、県外に住む二十代の娘二人が継承することを申し出てくれた。ネットショップでの販売や会員制交流サイト(SNS)でのPRなど、これまで思い付かなかった新たな視点から既に提案をしてくれ、早速実践している。  中島社長は「自分の代で終わりと思っていたが、今は継いでもらおうと思っている。その時まできちんと経営が成り立つようゴールに向かって動く」。伝統の味がまた次の世代へ受け継がれようとしている。 関連キーワード 静岡 logo-en-hatena logo-en-twitter logo-en-facebook logo-en-line 関連記事ピックアップなぜうその報告 答えず 川口いじめ直接謝罪 元校長メモ読み上げ「深く反省」首都圏ニュース(2022年1月7日)ジブリ美術館をコロナ禍が直撃 来館者は7分の1、大幅赤字に… 思い出のある人たちがふるさと納税で続々支援小池都知事が本紙に語った危機感「駐車場にコンセントさえない」、コロナ「敵が入れ替わった」社会(2021年12月29日)技能五輪Road to Tokyo レストランサービスの“若き匠”金メダルへの猛特訓に密着AD(TOKYO MX on 東京新聞)精子取引トラブルで訴訟「京大卒独身日本人と言ったのに…経歴全部ウソ」精子提供者を女性が提訴 全国初か社会(2021年12月27日)コロナワクチンの3回目接種、政府が高齢者に前倒し実施へ 気になる副反応は?オミクロン株への効果は?社会(2022年1月6日)高級化粧品信者だった私が認めた!「50代最後の砦化粧品」とはAD(ストレピア)主婦ライターのイチオシ「4つだけ覚える0円英語学習」1日30分の英語系ユーチューブが凄いAD(株式会社Creajoy)Recommended by
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日期:2020/10/19点击:15