<都知事選>小池さん圧勝、自民歩み寄り? 担当記者座談会

マスク姿で候補者らの訴えを聞く有権者ら=4日、墨田区で  五日投開票された都知事選は現職の小池百合子さん(67)が、元日本弁護士連合会長の宇都宮健児さん(73)、れいわ新選組代表の山本太郎さん(45)、元熊本県副知事の小野泰輔さん(46)=日本維新の会推薦=らに圧勝した。担当記者が選挙戦を振り返った。 (都知事選取材班) ■歴代2位得票  H 小池さんの得票は歴代二位の三百六十六万票。二〇〇三年の石原慎太郎さんを超えた。相当達成感があったのだろう。六日の会見などで何度も三百六十六万と口にしていた。  K 対立していた都議会自民党の都議からは「初当選時の得票数を超えたことで、一期目が満点との評価になってしまった」と悔しげな声が漏れた。ただ「都民が選択した結果」と冷静な受け止めも。今後は小池さんへの批判一辺倒ではなく、共同歩調をとるような雰囲気の変化を感じる。  G 国政への転身が現実味を増したとみる関係者は少なくない。一七年の希望の党の失敗で鳴りをひそめていたが、今回、会見などで何度か記者から問われて「現在は考えていない」「都知事に選ばれたばかり」と否定しない。年齢的にも今月で六十八歳。好機があれば挑戦するとみられる一因になっている。  M 小池さんは「公務優先」を掲げて選挙期間中、新型コロナ対策の取り組みを確認することなどを理由に病院や学校、商店街など約十五カ所を視察。そのほか行事なども参加したが、行き先がやや豊島区に偏っていた印象。同区は小池さんの衆院議員時代の地盤。「自分の地盤を重視したのか」と思う都民もいた。 ■対立陣営  F 宇都宮さんを支援した立憲民主、共産、社民は、共闘を「政党間の距離が縮まった」と自賛していた。ただ結果を見ると支持の広がりは限定的。内輪の盛り上がりになっていなかったか。政党のPRにはなったかもしれないが、開票後、事務所前で支持者が「課題しかなかった」とぼやいていたのが印象的だった。  U 「個人商店」の山本さんは、深夜まで駅頭で自らビラ配りするなど頑張っていた。伸び悩んだのは、十五兆円の都債発行で現金給付などを訴えたのはバラマキの印象で、清新さのイメージに合わなかったこともあると感じた。  G 小野さんは予想以上に健闘した。一九年参院選の維新候補票を上回る六十一万票を獲得。推薦した維新幹部は「維新の東京での試金石」と位置付けていたが、次期衆院選や都議選に維新がどう関わるか注目だ。 ■新しい政治参加の形  G 過去最多の二十二人が立候補。奇抜な主張でインターネットで話題になる候補も。都知事選は注目度が高く、供託金三百万円を没収されても政見放送や新聞広告、ネット会見などに露出でき、費用対効果が高いことがあるだろう。  F 候補をPRするインターネット動画や画像づくりに、遠く離れた米国在住のボランティアが参加した陣営があった。新しい政治参加の形といえるかもしれない。  M 小池さんはネット選挙に徹したが、知名度ある現職だからできたこと。新型コロナ対策の会見など公務での露出は選挙前と変わらなかった。オンライン選挙の成否を評価するのは難しい。 ■都議補選  K 北区で都民ファーストの会の惨敗ぶりが際だった。小池さんの元秘書を「知事の娘のような存在」とアピールしたが、都議会少数会派の立憲民主にも大差をつけられた。都民ファ側からは「これまでの地方選ではもっとひどい負け方もあった。上向きだ」と強がりも出たが、来夏の都議選に不安を残した。  H 自民が四選挙区で全勝した意味は小さくない。国政で支持率が低下している中、地力が衰えていないことを示した。一方で立民と共産が区部と多摩地区で行った相互協力も「一定の成果」(野党関係者)という。次期都議選は各地で激戦となりそうだ。 ◆都知事、都議補選 5人に当選証書 当選証書を受け取る都議補選の当選者=都庁で  五日に投開票された都知事選と都議補選の当選者に対する当選証書付与式が七日、都庁で行われた。  証書を受け取った新都議は、いずれも自民公認で大田区選挙区の元職鈴木晶雅さん(62)、北区選挙区の新人山田加奈子さん(49)、日野市選挙区の新人西野正人さん(60)、北多摩第三選挙区(調布、狛江市)の新人林明裕さん(59)の四人。再選した小池百合子知事(67)は出席せず、代理人が証書を受け取った。  都選管の沢野正明委員長は「多くの都民の支持を背景に、東京都を正しく導いてほしい」とあいさつ。式典後、山田さんは「身が引き締まる思い。臨時会も控えており、コロナ対策に万全を尽くしたい」と話した。  任期はそれぞれ、小池氏が三十一日から四年間。新都議四人は、七日から現都議が任期満了を迎える来年七月二十二日まで。 (小倉貞俊) 関連キーワード 東京 logo-en-hatena logo-en-twitter logo-en-facebook logo-en-line 関連記事ピックアップ小池都知事が本紙に語った危機感「駐車場にコンセントさえない」、コロナ「敵が入れ替わった」社会(2021年12月29日)技能五輪Road to Tokyo レストランサービスの“若き匠”金メダルへの猛特訓に密着AD(TOKYO MX on 東京新聞)「有名人の娘だから?」と不安だった神田沙也加さんに宮本亞門さんが返した言葉 追悼ツイートで明かす文化・芸能(2021年12月19日)これは「しつけ」なのか、親のメンツなのか〈お父ちゃんやってます!加瀬健太郎〉「絶対隠す」と決めた過去、ありのままに語り厚労省に採用…施設で育った女性「少しでもいいことに」社会(2022年1月4日)精子取引トラブルで訴訟「京大卒独身日本人と言ったのに…経歴全部ウソ」精子提供者を女性が提訴 全国初か社会(2021年12月27日)記憶力を上げる”近道”!毎日10分動画見るだけで記憶力が驚くほど激変AD(株式会社Art of Memory)「日本にあればOK」持ち主じゃなくても実家の価値を調べられる方法AD(リビンマッチ)Recommended by
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日期:2020/07/08点击:12