<志尾睦子のそふとフォーカス> (95)15回目の誕生日に思う

南極地域観測隊に同行している北沢佑子さん=守谷市の県立守谷高で  国立極地研究所(極地研、東京都立川市)の「教員南極派遣プログラム」で、第六十一次南極地域観測隊の同行者に選ばれた。県内の教員では初めてだ。十一月二十七日に成田空港から出国。オーストラリア西部の港町フリーマントルで観測船「しらせ」に乗り込み、南極・昭和基地には一月上旬に到着する予定だ。  高校教諭になって七年目。勤務する県立守谷高(守谷市)では生物と化学を教える。海の生き物が好きで、教え子から「ウミウシ先生」と呼ばれていたが、南極行きが決まると「南極先生」に。「授業では『南極ってどんなところ?』『何しに行くの?』と質問攻めです」と苦笑する。  旧関城町(現筑西市)出身。筑波大大学院で理科教育を専攻した。地学の担当教授が元南極観測隊員だったのが、南極にあこがれを抱いたきっかけ。教員向けの派遣プログラムがあることも知り、「絶対に行ってみせる」と誓った。  初任校の県立古河第三高(古河市)時代に早速応募したが、落選。再挑戦に向けて気持ちを奮い立たせたのは、極地研の刊行物で読んだ藤井理行(よしゆき)元所長の「南極は、科学も育てるが、人間も育てるところ」という言葉だった。  観測隊の生活は人間関係が濃密で、隊員同士が協力しないと成り立たない。参加した研究者が人間的に一回り成長して帰ってくる。「生徒の成長に携わる教員として、ますます行ってみたくなりました」。二回目の応募で南極行きの切符を射止めた。  南極は今は夏だが、それでも平均気温は氷点下という厳しい環境だ。健康や体力は欠かせない。選考の段階から冬山での野営訓練があり、クレバス(氷河や雪渓の割れ目)からロープではい上がったり、極地では使えないコンパスに頼らず目標に向けて歩いたり。観測機器を自力で修理する練習にも取り組んだ。  昭和基地では来年一月二十七日、守谷高に向けて中継授業をする。南極での食事やトイレといった身近な話題や、ペンギンなどの生き物の生態について話すつもりだ。「人間の生活が及ばないありのままの地球の姿と、自然と厳かに向き合いながら闘う隊員たちの『南極魂』を伝えたい」  昨年、民間の南極観測隊に同行する女子高校生が主人公のアニメ「宇宙(そら)よりも遠い場所」が放送された。その影響もあってか、生徒たちの南極への関心は高いという。「私もいつか教え子を引率して南極に行ければ」と夢を語った。  任務を終えて南極を出発するのは二月上旬。三月下旬に日本に戻る予定だ。(宮尾幹成)     ◇  坂東市の県自然博物館(ミュージアムパーク)=電0297(38)2000=でも、一般向けに北沢さんの中継授業「南極とつながろう!」が開かれる。1月25日午後2時15分から。対象は小学生以上(小学生は保護者同伴)。事前申し込みが必要で、先着280人まで受け付ける。 関連キーワード 茨城 logo-en-hatena logo-en-twitter logo-en-facebook logo-en-line 関連記事ピックアップ小池都知事が本紙に語った危機感「駐車場にコンセントさえない」、コロナ「敵が入れ替わった」社会(2021年12月29日)窪塚洋介さんが築いた離婚後の家族の形 子どもを尊重…今の妻も前の妻も一緒に精子取引トラブルで訴訟「京大卒独身日本人と言ったのに…経歴全部ウソ」精子提供者を女性が提訴 全国初か社会(2021年12月27日)技能五輪Road to Tokyo レストランサービスの“若き匠”金メダルへの猛特訓に密着AD(TOKYO MX on 東京新聞)「有名人の娘だから?」と不安だった神田沙也加さんに宮本亞門さんが返した言葉 追悼ツイートで明かす文化・芸能(2021年12月19日)「感染者、あっという間に倍」尾身会長が危機感 高齢者の3回目接種が最優先課題社会(2022年1月7日)【脳は若返る】70代で脳年齢30才以下になる人続出中の「スマホ脳トレ」が話題AD(株式会社Art of Memory)「日本にあればOK」持ち主じゃなくても実家の価値を調べられる方法AD(リビンマッチ)Recommended by
(function() {
var pa = document.createElement(""script""); pa.type = ""text/javascript""; pa.charset = "utf-8"; pa.async = true;
pa.src = window.location.protocol + "//api.popin.cc/searchbox/tokyo-np.js";
var s = document.getElementsByTagName(""script"")[0]; s.parentNode.insertBefore(pa, s);
})();  おすすめ情報
首都圏ニュースの新着 記事一覧 <新型コロナ>埼玉県で3回接種済みの20代男性が感染 新規感染者は332人  埼玉県内では8日、新型コロナウイルスの新規感染者332人が発表された。県によると、一日の新規... 1月8日 <新型コロナ>茨城県で102人感染 昨年9月18日以来の100人超  茨城県と水戸市は8日、新たに102人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日当たりの新規感染者... 1月8日 <新型コロナ>千葉県で新たに239人感染  千葉県内で8日、新型コロナウイルスで新たに239人の感染が発表された。医療機関からの連絡とし... 1月8日 <新型コロナ>神奈川県で新たに354人感染 県内初のオミクロン株クラスターも  神奈川県内で8日、新たに354人の新型コロナウイルス感染が明らかになった。前日に200人を超... 1月8日 <新型コロナ>静岡県内77人感染  静岡県内では七日、新たに七十七人の新型コロナウイルス感染が確認された。 浜松市が三十人、沼津... 1月8日 <新型コロナ>成人式 悩む自治体 感染急拡大で「代替案も」  新型コロナウイルスが急拡大している中、各地で成人式が開催される。昨年は中止や一堂に会しての実施は見送... 1月8日
googletag.cmd.push(function() { googletag.display(""div-gpt-ad-tn/article/footer_rect_right""); });

日期:2019/12/22点击:11