<国吉好弘の埼たまNOW>全国高校サッカー 昌平高の上位進出期待

県大会決勝で、ドリブルでゴールに迫る昌平の須藤選手(右)=11月、埼玉スタジアムで  第98回を迎える全国高校サッカー選手権大会が30日に始まり、明けて1月11日に準決勝、13日に決勝が行われ、両日は埼玉スタジアムが会場となる。埼玉はかつて静岡、広島と並び、サッカー界の「御三家」と呼ばれた。そのいわれは、地域色が如実に表れるこの大会の成績が根拠となっていたが、埼玉が優勝を果たしたのは第60回大会の武南が最後で、既に38年前のことになっている。  浦和レッズの誕生や大宮アルディージャがそれに続いたことなど、今でもサッカーが盛んな県であることは間違いないのだから、そろそろ高校選手権でも活躍を期待したいところ。  本年度の県代表は杉戸町の昌平で、2年ぶり3回目の出場となる。過去2回の大会では2回戦を突破できていないが、2016年、18年に出場した夏のインターハイではベスト4に進んでおり、既に全国レベルのチームとして認められている。本年度のチームも例年以上に総合力は高い。  かつて自身も、千葉の習志野で選手権に出場したことがある藤島崇之(たかゆき)監督のチーム作りは、一貫して「ディフェンスラインからビルドアップ(ゲームを組み立てる)して主導権を握るサッカー」。そのためには高い技術と的確な判断力が求められ、日々のトレーニングではボールを失わないテクニック、積極的な攻撃の仕掛け、確実な守備への対応ができる力に磨きをかけている。  個々のボールテクニックは県内で一番と言えるほどで、全国でもトップレベルだろう。中でも、2トップの一角、あるいは攻撃的なMFとしてプレーする須藤直輝(すとうなおき)は注目の技巧派だ。  2年生ながらゲームキャプテンを務めるほどチームの中心となっており、相手を幻惑するステップとボールタッチ、緩急の妙を使い分けるドリブルは一見の価値がある。「自分の特徴はドリブル、人を魅了するプレーを目指している」と話す。その言葉、プレーとも日本代表の中島翔哉(しょうや)(FCポルト)を思わせる。  須藤を中心に右サイドの鎌田大夢(かまだひろむ)、左サイドの紫藤峻(しとうしゅん)もテクニックがあり、やはりドリブルがうまく、素早いパス交換を交えて両サイドから崩していく。ともに得点力も備え、どこからでも点が取れる。  トップでプレーする小見(こみ)洋太は少し異色の存在。スピードがあり、鋭い動き出しでゴールを目指すストライカーだが、テクニシャンというよりファイターだ。須藤からのスルーパスや、両サイドからのクロスに反応して積極的にゴールを目指す。  両サイドバックの攻め上がりも鋭く、攻撃力は有数の破壊力を備える。ディフェンスも夏以降に大きく成長して安定感を増している。藤島監督も県予選突破を「うちはどうしても攻撃がフォーカスされるが、西澤(寧晟(さだてる))、柳澤(直成(なおなり))を中心にディフェンスを粘り強くできたことが勝因」と話したように、5試合でわずか1失点だった。  このディフェンスが全国でも通用すれば、好成績が期待できる。本番での初戦となる2回戦の相手は、初出場ながら2人のJリーグ内定選手などタレントをそろえる大阪の興国。侮れない相手だが、ここを乗り切れば勢いづく。  同じブロックには前大会優勝の青森山田、本年度インターハイ準優勝の富山一など強豪がそろい、勝ち上がるのは並大抵のことではないが、可能性は感じさせる。少なくとも昌平は、見て楽しいサッカーを展開してくれることは期待できる。2、3回戦は浦和駒場スタジアム、準決勝まで進めば埼玉スタジアムに足を運んではいかがだろうか。(サッカージャーナリスト) 関連キーワード 埼玉 logo-en-hatena logo-en-twitter logo-en-facebook logo-en-line 関連記事ピックアップ精子取引トラブルで訴訟「京大卒独身日本人と言ったのに…経歴全部ウソ」精子提供者を女性が提訴 全国初か社会(2021年12月27日)40歳で医学部に入学、3児を育てながら医師に 何歳になっても、何度でも挑戦できる「感染者、あっという間に倍」尾身会長が危機感 高齢者の3回目接種が最優先課題社会(2022年1月7日)ジブリ美術館をコロナ禍が直撃 来館者は7分の1、大幅赤字に… 思い出のある人たちがふるさと納税で続々支援「絶対隠す」と決めた過去、ありのままに語り厚労省に採用…施設で育った女性「少しでもいいことに」社会(2022年1月4日)なぜうその報告 答えず 川口いじめ直接謝罪 元校長メモ読み上げ「深く反省」首都圏ニュース(2022年1月7日)「日本にあればOK」持ち主じゃなくても実家の価値を調べられる方法AD(リビンマッチ)【脳は若返る】70代で脳年齢30才以下になる人続出中の「スマホ脳トレ」が話題AD(株式会社Art of Memory)Recommended by
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日期:2019/12/26点击:13