産後うつ、話せる居場所を さいたま市北区・山田ひろ子さん 経験もとに女性のための交流会

「自分をいたわることを忘れないで」と話す山田さん(左)とサポーターの志賀さん=さいたま市で  暗く、冷たい海の底にいるようだった-。さいたま市北区のペン習字講師・山田ひろ子さん(39)は出産後、うつやパニック障害に長らく苦しんだ。誰にも相談できなかった経験をもとに昨年6月、女性のための交流会「Hanpopo(はんぽぽ)」を発足。孤立から「半歩」でも踏み出すきっかけになればと、訪れる人の悩みに耳を傾けている。 (浅野有紀)  山田さんは二十三歳で結婚し、間もなく妊娠。不正出血が多く、近くの実家で寝たきりだった。予定日より三週間早く、帝王切開で長男を出産。ミルクを思うように飲んでくれず、周りの子より成長が遅いことに焦り、うまく育児ができない自分を責めた。  体重は一五キロ近く増え、体力が落ちた。人と会うことを避け、笑うこともなくなった。テレビで紹介されたうつの症状に当てはまると思ったが、夫や両親に理解してもらえるか不安で、相談できなかった。  自宅にこもりがちだったが、「子どものために変わりたい」と考えるように。長男が一歳になった頃、インターネットで目に留まった市の子育て支援センターを頼った。そこで出会ったママ友にペン習字を教えたことを機に、自宅近くで教室を開くまでになり十四年目になる。  うつ症状のほか、帝王切開の手術台での恐怖が蘇(よみがえ)り、発作が起きるパニック障害にも苦しんだ。心配した姉が夫に事情を説明し、夫が家事に協力してくれるようになったことで、つらい時は寝る▽おろそかにしていた自分の食事を見直す▽趣味を見つけてみる-など、自分を大切にできるようになった。  「いつか体調が戻ったら、元気がなくても足を運んでみようと思える居場所をつくりたい」。そう長年考えていた交流会を、昨年七月に大宮区で初めて開催。その後も毎月、少人数でお茶を飲みながら、それぞれの悩みを語り合った。対象は、独身女性や不妊治療、死産を経験した女性ら、母親に限らず参加を呼び掛けている。  参加した浦和区の主婦志賀志穂さん(45)は、乳児を迎え入れた里親。地域では、若い母親たちになじめなかったといい「里親としてでなく、四十代の新米ママとして本音が言える場所が欲しかった」と話す。  今年から、はんぽぽの理念に共感した志賀さんらがサポーターとして交流会に入ることになり、産後うつやシングルマザー、アラフォーママなどテーマごとに開いていく。  交流会を通し、かつての自分のように一人で背負い込む人が多いと感じる山田さん。そんな彼女たちに「自分の心と体に栄養を与えることを忘れないで」と伝えている。  次回は今月十五日、さいたま市北区のプラザノースで五つのテーマで開く。詳細は「Hanpopo 半歩前に進みたい女性のコミュニティーサークル」で検索。 関連キーワード 埼玉 logo-en-hatena logo-en-twitter logo-en-facebook logo-en-line 関連記事ピックアップ小池都知事が本紙に語った危機感「駐車場にコンセントさえない」、コロナ「敵が入れ替わった」社会(2021年12月29日)第4子パパ初育休~口唇裂の子を迎えて(3)妻が「鬼」になったのは、私のせいだなぜうその報告 答えず 川口いじめ直接謝罪 元校長メモ読み上げ「深く反省」首都圏ニュース(2022年1月7日)ジブリ美術館をコロナ禍が直撃 来館者は7分の1、大幅赤字に… 思い出のある人たちがふるさと納税で続々支援「有名人の娘だから?」と不安だった神田沙也加さんに宮本亞門さんが返した言葉 追悼ツイートで明かす文化・芸能(2021年12月19日)精子取引トラブルで訴訟「京大卒独身日本人と言ったのに…経歴全部ウソ」精子提供者を女性が提訴 全国初か社会(2021年12月27日)【脳は若返る】70代で脳年齢30才以下になる人続出中の「スマホ脳トレ」が話題AD(株式会社Art of Memory)「日本にあればOK」持ち主じゃなくても実家の価値を調べられる方法AD(リビンマッチ)Recommended by
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日期:2020/02/05点击:12