きょう国際人種差別撤廃デー ふれあい館運営の青丘社・三浦知人 事務局長に聞く

「定住外国人をいつまでも『外の人』とくくる状況を変えなきゃいけない」と話す三浦知人さん=川崎区で  今年に入り、市内では川崎区桜本の交流施設「ふれあい館」へのヘイト年賀状や爆破予告など、卑劣な脅迫が相次ぐ。新型コロナウイルスの感染拡大に便乗した、在日外国人への中傷も絶えない。差別に基づく暴言やヘイトクライム(憎悪犯罪)を食い止めるにはどうすればいいのか。21日の国際人種差別撤廃デーに合わせ、ふれあい館を運営する社会福祉法人青丘社の三浦知人事務局長(65)に聞いた。 (中山洋子)  ふれあい館宛てのヘイト年賀状が見つかったのは正月休み明けの四日朝。郵便物の束の中に「在日を抹殺しよう」などと書かれた年賀状が紛れ込んでいた。一月下旬には市職員のもとに爆破予告のはがきも送り付けられた。  近年、市内に繰り返し押しかけるヘイトデモと同質の差別意識に根差した犯行だった。  「日本社会も行政も、この国には騒ぎ立てるほどの差別はない、という前提でやってきた。長年、目を背けてきた結果ではないか」。大学時代から地域で在日外国人支援を続けてきた三浦さんは、静かな怒りを込めて振り返る。  八八年に開館したふれあい館の職員になり、館長も務めた。館の運営要綱には多文化共生に向けて「差別を克服する」ことが明記され、画期的な施設には全国の自治体職員が見学にきた。「すぐに第二、第三のふれあい館ができると思ったんだけど、できなかった。代わりに全国につくられたのは『国際交流センター』。民族差別の問題がすりかえられたんです」  国連人種差別撤廃委員会からも二〇〇一年の最初の対日審査以降、在日外国人らへの差別是正などをたびたび勧告されたが、政府の動きはにぶかった。  川崎では、国籍を理由にした児童手当受給や就職などの差別解消を訴え、行政を動かしながら取り組んできた地域の歴史がある。それだけにヘイト年賀状にまず憤ったのは、地域社会だった。「町内会長が毎日来て『こんなのは許せない』と言ってくれた」  「僕らの実感としては、『自分は在日コリアンだから』とあきらめがまん延している七〇、八〇年代の社会状況の中で、子どもたちに『差別する方が悪いんだから、下を向いていちゃいけない』と伝え、差別を克服する活動が着実に積み重ねられてきた。この子たちが大人になるころには、社会を変えてくれるという手応えがあった」  だが、差別の存在を認めない日本社会の状況は、桜本の外では何も変わっていなかった。三浦さんは一六年のヘイトスピーチ解消法で「差別はある、それを正すのが行政の責任だと初めて明確にされた。差別の実態が『見える化』されたんです」という。これを受け、川崎市はヘイトスピーチに刑事罰を科す全国初の条例を制定した。「条例は差別のないまちづくりの土台で、市民に投げられたボール。行政お任せではなく、市民も一緒に多文化共生を発信していかなきゃいけない」と話した。 <国際人種差別撤廃デー> 1966年に国連が制定。60年3月21日に、南アフリカでアパルトヘイト(人種隔離政策)に反対するデモ行進で警察の発砲により69人が死亡した事件を教訓に、人種差別撤廃を広く呼び掛ける記念日。 関連キーワード 神奈川 logo-en-hatena logo-en-twitter logo-en-facebook logo-en-line 関連記事ピックアップ小池都知事が本紙に語った危機感「駐車場にコンセントさえない」、コロナ「敵が入れ替わった」社会(2021年12月29日)英語の早期教育は必要? 12カ国語を話す”語学の達人”ピーター・フランクルさんは懐疑的「母語を大切に」「有名人の娘だから?」と不安だった神田沙也加さんに宮本亞門さんが返した言葉 追悼ツイートで明かす文化・芸能(2021年12月19日)技能五輪Road to Tokyo レストランサービスの“若き匠”金メダルへの猛特訓に密着AD(TOKYO MX on 東京新聞)なぜうその報告 答えず 川口いじめ直接謝罪 元校長メモ読み上げ「深く反省」首都圏ニュース(2022年1月7日)精子取引トラブルで訴訟「京大卒独身日本人と言ったのに…経歴全部ウソ」精子提供者を女性が提訴 全国初か社会(2021年12月27日)【脳は若返る】70代で脳年齢30才以下になる人続出中の「スマホ脳トレ」が話題AD(株式会社Art of Memory)「グラフ銀座本店」に、モデル・滝沢眞規子さんが初訪問。AD(グラフダイヤモンズジャパン on VERY NAVY)Recommended by
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日期:2020/03/21点击:13