<チュウ目の逸品 キタカン2020>トウガラシで町熱く 生産量日本一、推進協が宣言(大田原市)

「辛みが強いトウガラシだ」とアピールする小藤さん=大田原市で  ふるさとを代表するものとは何だろう? 温泉、納豆、イチゴなどなど。思い浮かぶものは人さまざま。世間で広く知られているが、実は栃木、茨城、群馬の“キタカン”(北関東)でつくられているものも多い。そんなキタカンのキラリと光る「逸品」を紹介する。     ◇  「Hot city Ohtawara(ホッとして!おおたわら)」-。大田原市で衰退したトウガラシ生産を復活させる取り組みが、ホットな盛り上がりを見せている。商工観光関係者らでつくる「大田原とうがらしの郷づくり推進協議会」は昨年6月、農林水産省の統計を基に「生産量日本一」を宣言。宇都宮のギョーザに負けない観光の目玉にしようと、地元の飲食店や商店はトウガラシを使った料理や土産物の開発を積極的に手掛ける。  「辛みが強く、風味も良いんだ」。真っ赤なトウガラシがつり下げられたハウスで、生産者の会の小藤喜一会長(69)が胸を張る。  秋に収穫したトウガラシは、ハウスなどで乾燥させる。年明けに手作業でへたから実をもぎり、春までに出荷する。那須連山から吹き下ろす「那須おろし」が乾燥を助けるという。  戦前、東京でカレー粉用のトウガラシを製造販売していた吉岡源四郎が、栽培を拡大しようと、広大な耕作地がある大田原にトウガラシを伝えた。その後、品種改良を重ねた源四郎や研究者は1955年、「栃木三鷹(さんたか)」の開発に成功した。辛みや色、形が良く、収穫量が多いなど、品質が良く栽培面や流通面で優れていたことから、全国に広まっていった。  60年代には国内で年間約7000トンを生産。輸出もされた。大田原の生産量はトップクラスで、源四郎の孫で推進協議会長の吉岡博美さん(70)=写真=は「幼いころは家中がトウガラシまみれだった」と笑う。  その後、輸出産業は工業に移り変わる。トウガラシも中国産が多く輸入され、生産は衰退した。  こうした歴史を背景に、「食」をテーマにした観光資源の開発を検討していた市観光協会などが2006年、トウガラシを宇都宮市のギョーザにも負けない観光の目玉に育てようと、推進協議会を発足させた。衰退した生産面でかつての勢いを取り戻すことを目指して栽培農家も募った。  東日本大震災で生産は一時停滞したが、震災後に30軒ほどだった農家は、ここ数年で190軒にまで急増した。「食の安心安全」が叫ばれ、国内産が見直されたからだ。  トップクラスだった生産量はどうか。推進協議会は農林水産省の2016年地域特産野菜生産状況調査を基に「生産量日本一」を導き出す。調査によると県の生産量は全国2位タイの20トンで、ほとんどは大田原市産。1位の福岡県は25トンで、作付面積は最も多い川崎町がほぼ半分。推計すると同町の生産量はおよそ13トンになる。これを「日本一」の根拠にした。 アルミ製携帯ケースと詰め替え用の七味と一味  地元の飲食店などには商品開発を呼び掛けた。完成した商品はラーメンや唐揚げ、コロッケなど50品を超える。人気は、オリジナルの七味や一味を作る体験会。推進協議会はオリジナルを持ち歩けるアルミ製のケース「いつでもどこでもマイ七味!」「マイ一味!」(各800円)の販売も始めた。  吉岡さんは「トウガラシを目当てに大田原を訪れる人を増やしたい。栽培する品種も増やして、トウガラシのことなら大田原に行け、と言われるようにしたい」と展望を抱いている。 (小川直人) ◆香り良い七味 激辛ファンをお出迎え  大田原市観光協会で同市産の七味を買い求め、うどんにふりかけて食べてみた。香りが良い。うっかりかけすぎても、辛さに嫌みがない。正月のお雑煮にもきっと合うはずだ。畑が真っ赤に染まるという収穫期の光景も見てみたい。激辛ファンよ、ぜひ大田原へ! 関連キーワード 栃木 logo-en-hatena logo-en-twitter logo-en-facebook logo-en-line 関連記事ピックアップ小池都知事が本紙に語った危機感「駐車場にコンセントさえない」、コロナ「敵が入れ替わった」社会(2021年12月29日)技能五輪Road to Tokyo レストランサービスの“若き匠”金メダルへの猛特訓に密着AD(TOKYO MX on 東京新聞)「絶対隠す」と決めた過去、ありのままに語り厚労省に採用…施設で育った女性「少しでもいいことに」社会(2022年1月4日)ジブリ美術館をコロナ禍が直撃 来館者は7分の1、大幅赤字に… 思い出のある人たちがふるさと納税で続々支援精子取引トラブルで訴訟「京大卒独身日本人と言ったのに…経歴全部ウソ」精子提供者を女性が提訴 全国初か社会(2021年12月27日)「感染者、あっという間に倍」尾身会長が危機感 高齢者の3回目接種が最優先課題社会(2022年1月7日)「日本にあればOK」持ち主じゃなくても実家の価値を調べられる方法AD(リビンマッチ)「グラフ銀座本店」に、モデル・滝沢眞規子さんが初訪問。AD(グラフダイヤモンズジャパン on VERY NAVY)Recommended by
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日期:2020/01/01点击:12