中伤奥运选手 不允许使用语言暴力 (五輪選手中傷 言葉の暴力許されない)

 八日に閉会した東京五輪では会員制交流サイト(SNS)を通じた選手らへの中傷が目に余った。言論の自由を守る必要があるとしても、人格をおとしめるような攻撃は行き過ぎだ。選手らを精神面で守る手だてを考えたい。
 卓球混合ダブルスの決勝で中国を破り、金メダルを獲得した水谷隼選手=写真=はツイッターで、「とある国」から「くたばれ、消えろ」などのメッセージが届いたことを告白した。
 応援する選手が負けた悔しさからなのだろうが、勝ち負けのあるスポーツだ。選手に非はない。
 東京五輪を巡っては、開催の賛否に絡む中傷も目立った。
 競泳女子の池江璃花子選手には開催前、出場辞退や開催反対を表明するよう求めるコメントが寄せられた。池江選手は「(そうした気持ちを)選手個人に当てるのはとても苦しい」とつづった。
 体操女子の村上茉愛選手は、五輪反対の世論が強まっていることにも触れ、「見たくなくても嫌なコメントを見てしまい、すごく残念だなと悲しかった」と、涙ながらに打ち明けた。
 開催反対論も多い中、議論を尽くさず開かれた五輪に複雑な思いを抱く人もいるだろう。
 しかし、思いをぶつけるべきは主催者の国際オリンピック委員会(IOC)や日本政府、東京都、大会組織委員会などであり、選手に直接ぶつけるのは筋違いだ。
 海外からの書き込みも多く、投稿者の特定は難しい。若者の間で五輪を盛り上げるため、選手らにSNS利用を推奨してきたIOCの姿勢にも問題がある。
 日本オリンピック委員会(JOC)は選手への誹謗(ひぼう)中傷を監視して、悪質な場合は警察への通報も検討するという。対応を選手らだけに任せず、組織として具体的な対策に取り組んでほしい。
 選手らへの中傷は五輪以外の大会でも続くだろう。選手を精神面で支える体制が幅広く必要だ。
 民主主義社会において言論の自由を守ることが大前提だ。権力による過度な介入に口実を与えないためにも、私たち自身が、言葉の暴力は許さない決意で臨みたい。


日期:2021/08/24点击:17