緊急宣言を解除 感染再拡大は防がねば

2021年6月18日 来源:东京新闻

 緊急事態宣言の解除が、新型コロナウイルス感染を再拡大させることになってはならない。感染状況をこれ以上深刻化させぬよう、これまでの経験を生かしたい。

 政府は十都道府県で発令中の緊急事態宣言を、沖縄県を除いて二十日の期限で解除することを決めた。そのうち東京、愛知など七都道府県では「まん延防止等重点措置」に移行する。

 年末年始の「第三波」では、新規感染者が十分に減らない中で宣言を解除した。人出の増加や変異株の流行により、短期間での感染の再拡大を許してしまった。

 厚生労働省の専門家会議によると、全国の新規感染者数は減少傾向だが減り方は鈍化し、都市部の人出も増え続けている。感染再拡大が「強く懸念」される状況での宣言解除には疑問がある。

 開会まで一カ月余りと迫る東京五輪・パラリンピックのために宣言解除を急いだとしたら、国民の命や暮らしよりも五輪開催を優先したと批判されても仕方がない。

 これから夏休みやお盆などで人の移動が増える時期だ。その上、五輪を観客を入れて行えば、さらに人出が増える。宣言解除が「外出してもいい」との誤ったメッセージになる恐れはないのか。

 英国型(アルファ型)の変異ウイルスよりも感染力が強いとみられるインド型(デルタ型)の広がりに、五輪の人出が加われば、感染が一気に広がりかねない。

 五輪を開催するなら国内の感染対策とどう両立させるのか、明確に説明する責任が政府にはある。

 政府の対策分科会は十六日、緊急事態宣言や重点措置を解除する地域では一カ月程度の経過措置として、大規模イベントの観客を定員の50%以内であれば一万人を上限とすることを了承した。

 分科会の尾身茂会長は、この経過措置が五輪の観客数とは無関係だと、政府に確認し、了承したと強調した。

 尾身氏ら専門家は十八日、五輪の感染症対策について提言する予定だ。政府は専門家の知見を軽視してはならない。提言を政府の対策に反映させるべきである。

 菅義偉首相は緊急事態宣言の解除に当たり「感染が再拡大した場合、対策を強化し、機動的に対処する」と述べた。宣言解除後も感染拡大防止に万全を期すのは当然だが、再拡大した場合、宣言の再発令を躊躇(ちゅうちょ)してはならない。


日期:2021/06/30点击:13